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JLPT N1 – Reading Exercise 78
その教授きょうじゅは、人間にんげんの脳のうがどのような作用さようによって活性化かっせいかされるのか、という問題もんだいについて話はなしを進すすめ、交通事故こうつうじこによって脳のうの一部いちぶをひどく損傷そんしょうしてしまった少年しょうねんの実例じつれいを拳あげた。(中略ちゅうりゃく)少年しょうねんの脳のうの損傷そんしょう具合ぐあいはかなりひどいものだったので、医師いしは両親りょうしんにその旨むねを告つげ、たとえ手術しゅじゅつがうまくいっても植物人間しょくぶつにんげんになることは免まぬがれないと宣告せんこく。「1」その上うえで手術しゅじゅつをしたわけだが、リハビリの段階だんかいで少年しょうねんに対たいしてできるかぎりの愛情あいじょうを注そそぐことを、両親りょうしんに勧すすめたらしい。たとえ寝ねたきりで反応はんのうがなくても、一日いちにちじゅう手てや足あしをさすってやり、優やさしく励はげましてやるようにと指示しじしたのである。両親りょうしんは愚直ぐちょくなまでにこの指示しじを守まもり、来くる日ひも来くる日ひも少年しょうねんの手足てあしをさすり、励はげまし続つづけたという。「___2___」、本来ほんらいなら障害しょうがいが起おきてしかるべきであるはずの少年しょうねんの脳のうは活発かっぱつに働はたらき始はじめ、植物人間しょくぶつにんげんどころか、退院たいいんの日ひにはジョギングをしても大丈夫だいじょうぶなほど回復かいふくしたのだそうである。「少年しょうねんの退院たいいんの日ひは、「3」まさに感動的かんどうてきでありました」と教授きょうじゅは瞳ひとみを潤うるませながら語かたっていたが、この実例じつれいから彼かれが引ひき出だした結論けつろん(というか未まだ仮定かていなのかもしれないが)は、人間にんげんの脳のうは「誰だれかに受うけ入いれられる」という前提ぜんていのもとに、活発かっぱつに働はたらくということであった。受うけ入いれられるというのはどういうことかというと、これはとりもなおさず愛あいされるということである。ようするに愛あいし、愛あいされるという刺激しげきがなければ、人間にんげんの脳のうは活発かっぱつに働はたらかないし、創造性そうぞうせいも高たかまらないのである。(原田はらだ宗典むねのり「幸福こうふくらしきもの」集英社しゅうえいしゃによる)活性化かっせいかする:刺激しげきを与あたえて、働はたらきを活発かっぱつにするその旨むね:その内容ないよう愚直ぐちょくなまでに:愚おろかだと思おもわれるほどまじめに